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癸卯春日篆以贈 藤澤老先生閣下 南保
明治三十六年(一九〇三)、加島菱洲の作。南岳の漢詩の末三字「文字香」を採って刻したという。
雛鶯乳燕語音滑、紅杏碧桃文字香 南岳先生春唫一聯頗覺秀潤、乃摘末三字以贈 明治癸卯春分前五日 菱洲加島信成篆
作者未詳。刻字はいずれも南岳の別号と思われる。『泊園文庫印譜集』解説一八四頁参照。
大正己未秋日 其雲篆
大正八年(一九一九)、雨宮其雲作。側款にいう「獨議」に関しては、南岳自筆稿本『七香齋雜纂』第二冊の中に「七香斎独議 七輯七卷 九〻箋九卷 論經一卷 議制度 九韵一卷」とあるので、南岳はこれらの撰著を「七香斎独議」の名のもとにまとめようとしていたらしい。『七香斎余筆』内にも「独議第四笈」「独議第五笈」の文字が見える。
作者未詳。南岳の青年時代の字「盤橋」を刻む。高松藩主から南岳の号を賜るのは慶応四年(一八六八)以後である。慶応元年(一八六五)閏五月刊行の『自警蒙求』の見返しにも「盤橋藤澤先生著」とある。
作者未詳。
作者未詳。杉聴雨(一八三五―一九二〇)から贈られた古印。南岳『七香斎吟香』第四冊(LH2*A*111*4)に、そのことを述べた「謝杉聴雨贈古印篆淡泊生涯」がある。杉は名は重華、通称は孫七郎。山口藩士、子爵。維新に功があり、宮内省御用掛・枢密顧問官・議定官に至る。
作者未詳。木邨鉄畊編『雲笈印範』第四輯(一九〇二)に印影を載せる。
作者未詳。瓦鈕、「橘中仙」は南岳の別号と思われる。『泊園文庫印譜集』解説一八四頁参照。
作者未詳。瓦鈕。
其雲
連印。雨宮雲作。
連印。作者未詳。
香浦刀
連印。三浦香浦作。
節二拜篆
連印。藤本煙津作。
連印。42-1と同じく『易』の震卦と巽卦のかたちを刻む。震卦は雷、巽卦は風を象徴し、☳☴で恒の卦となって南岳の名を表わす。
連印で獣鈕(獅鈕)。
三面印。大正二年(一九一三)、三浦香浦作。「萬世香」は北宋の蘇舜欽「舟中感懷寄館中諸君」の中の詩句。
刻蘇舜欽句中字 癸卯中秋 篆於春日山下 香浦三浦豐
八十翁信
明治十年(一八七八)、羽倉可亭作。
丙辰四月 仿漢 篴州
大正五年(一九一六)、河西笛洲作。側款の「篴州」は笛洲に同じ。
丙辰秋初篆 煙津節
大正五年(一九一六)、藤本煙津作。
雨宮其雲作。
絹州篆
阿部縑洲作で、印章一五参照。
乙巳初春下浣篆 七十四翁竹亭 爲 南岳老先生清鑒
明治三十八年(一九〇五)作。作者の「竹亭」は江戸時後期の公家で明治時代の政治家、東久世通禧(一八三四―一九一二)であろう。竹亭の号については南岳『芳號九流』(LH2*甲*72)に「竹亭 東久世通禧 京師人 旧華族」とある。
作者未詳。多治見久太郎編『定武楼印纍』(一九〇九)の南岳序文冒頭に捺印される。『泊園文庫印譜集』解説一八二頁参照。
明治卅有一年中秋篆於春日野艸堂 香浦三豐
連印、三浦香浦作。
獣鈕(獅鈕)。
銕篆刀
古川銕畊作か。
掬水月有手 弄花香滿衣丙午春日 香浦篆
三浦香浦作。「掬水」云々は唐・于良史の詩「春山月夜」の句。三浦(?―一九三〇)は名は豊、伊勢の人。南岳友人。京都・大阪・奈良に住んだ。本印は明治三十九年(一九〇六)の作。